インプラントとは

インプラントの歴史

人間の歯の治療に画期的な技術の進歩を遂げたインプラント治療ですが、インプラントの治療そのものの歴史は古く起原600年のミイラから貝で作られたインプラントが発見されています。その他にも、中国やエジプトで象牙で作られた歯が植えられているのも見つかっています。

古代エジプトのミイラからは、奴隷の歯を抜いて自分の歯に植えたものや、中世ヨーロッパでは、健康な人の歯を買って人工歯にすることも行われていて、「レ・ミゼラブル」では若くて貧しい女性が、自分の髪と前歯を売る場面もあります。

インプラントの材質も、様々な材質で試行錯誤を繰り返しながら今日に至っています。

貝や象牙から始まって、コバルトクロムが使われなどの過程を経て、インプラントの画期的な素材として登場したのがチタンです。

1950年代に登場したチタンによって、インプラントが飛躍的に発展し、チタンは今現在もインプラントの素材の主流として使われています。

チタンは、スエーデンのブローネンマルク医師がチタンの持つ特性がインプラントに適していることを発見し開発をしました。ブローネンマルク医師は、1952年に「オッセオインテグレーション・インプラント」という治療法を始めて、この治療法が世界中の臨床の場で行われるようになりました。

しかし、日本での普及は遅く、一般の開業医にインプラント治療が定着するまでには、欧米で発見され開発されてから10年という月日がかかっています。これほど日本での普及が遅れた裏には、日本独自の医療制度にあると考えられています。

外国で発見・開発された技術は、国内で2~3年の臨床で実績を重ねてから国際学会で発表されます。そしてその後、5年程は各国での臨床研究から効果や安全性を確認されたうえで一般開業医が実施していくという過程が必要で、そのために10年もの歳月を必要としました。

その理由以外にも、10年ほど前までは、歯科医自身にもインプラントに対する偏見があり、インプラントの普及が遅れましたが、医学的にも技術的にもさらに進歩したインプラントは、現在では広く普及し、多くの人がインプラントでの治療を受けて、噛み心地の良さや自然な感じなど、入れ歯では得られない恩恵を受けています。